今年で25周年を迎える横浜バロック室内合奏団。ヴァイオリニスト小笠原伸子先生(元 神奈川フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター)を中心とする気鋭の弦楽器奏者 たちによって結成されました。小さなサロンコンサートから大きなホールコンサート。 横浜のクラッシック好きの人たちに、今話題の合奏団です。
横浜バロック室内合奏団は、クラッシック、バロック音楽の演奏を通じて楽しい音楽を身近に親しんでもらう目的として活動をしています。年に4回みなとみらいホールでのコンサートや月4~5回の関内サロンでのサロンコンサートを中心に公演を行っています。地域の文化活動に貢献した功績が認められ、2006年には第18回ヨコハマ遊大賞を2009年には横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞しました。バロックとは約300年前の音楽で、チェンバロと弦楽合奏でアンサンブルをすることで歴史を感じながら音楽を楽しんでいるという。チェンバロは初めて耳にした人も多いかもしれませんが、ピアノの前身とも言われる楽器で蓋の部分には1つ1つ違った絵や文字が描かれている可愛らしい楽器です。ここにあるチェンバロには染色画家の前田よし永さんによって横浜の四季が描かれています。バロック時代(1600~1750年)の全盛期には王様の宮廷や教会などの演奏で時代を彩った楽器の一つとも言われているようです。
小笠原先生の活動の1つにイタリアでの音楽祭があります。2000年から毎年夏にはフィレンツェ、シエナでの演奏会を開催し現地のファンの方々も多いようです。古い教会での演奏はもちろんですが、屋外の小さな広場での演奏も石畳が音を響かせてくれ、響を体感することでヨーロッパの音楽が体の中に入ってくると先生は語ってくれました。また、紀元前からあるエトルリア人の町ムルロでは小笠原先生が訪ねて演奏した事がきっかけで毎年1週間の音楽祭が開催されています。日本だけでなくイタリアでも音楽とともに歴史を刻んで影響をあたえてくださっています。
『ここ、横浜は音楽の文化を伝えるには素晴らしい町』と語る小笠原先生と横浜バロック室内合奏団。毎年、小笠原先生の誕生月にはバースデーコンサートとして、大好きなバッハの無伴奏バイオリン全曲演奏会を開催しています。毎年バッハの名曲に向き合えることに感謝して心を込めて演奏することもあり、今まで12回の演奏を全部聴きに来てくだざったお客様も多いようです。
また、6月には東洋一のホールとも言われる紅葉坂にある神奈川県立音楽堂での演奏会が行われます。音楽史に残るたくさんの巨匠たちが演奏したこの由緒あるホールでの開催ということもあり心待ちにしている方々も多いはず。ホールによって音色も違い同時に自らの演奏も変わる事から、生演奏は二度と同じものは聞けないそうです。音楽を通じて人の心に感動を与えてくれる小笠原先生、そして横浜バロック室内合奏団の演奏会に1度足を運び、そして音楽の響を体感してください。